変化に向き合うには
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お子さまは思春期を迎えるとからだもこころも急激に変化し、その変化に本人自身がついていけなくて戸惑うこともあります。自分も通ってきた道ではあるものの、当時のことをあまり思い出せなかったり、いざ自分の子どもに…となるとうまく対応できないかもしれませんが、うまく答えることよりも、真摯に対応することが大切です。適度な距離を保ちつつ、人生の先輩としてアドバイスしてあげてください。
たとえば、「あるある」こんなこと
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★体型を気にしてダイエットをしたいと言っている
自分を客観的に見るようになると、他人と比べたり、雑誌やテレビの影響もあって、体型を気にし始めます。しかし思春期は、からだをつくっていく上でとても大切な時期です。
この時期に一生のからだの基礎となる骨や筋肉が形成されるため、しっかり食べて適度な運動と睡眠をとることが大切です。無理なダイエットをするとホルモンのバランスも崩れてしまいますので、ダイエットだけでなく、偏った食生活にならないように注意してください。
また、あまりにも体型のことを気にしすぎると、過食症や拒食症など精神的な部分にもダメージを与えかねません。お子さまがありのままの自分を受け入れられるように、「私は今のままで十分かわいいと思っているよ」など、「私は○○と思う」ことを示す“I”メッセージでおうちの方がやさしく伝えてあげてください。
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★ニキビや体毛など、からだの変化を気にしている
自分が周りからどう見られているか気になりはじめる時期なので、少しでも変化があると不安になってしまいがちです。体毛は生えるのが正常な成長なので恥ずかしがることはないと伝えてください。胸のふくらみを気にしはじめたら、一緒にブラジャーや胸元が二重になったキャミソールなど買いに行ってあげるのもいいですね。
また、ニキビは脂っこいものや甘いものを食べ過ぎないように注意して、適宜ぬるま湯で洗って清潔に保つようにアドバイスを。それでも気になる場合は皮膚科へ行くのもいいでしょう。
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★男の子を意識するようになった
からだが変わってくると、男女の違いがはっきりとわかるようになります。異性を意識するのはとっても自然なことですが、マンガやドラマなどの影響からロマンティックな考えを持つ女の子に比べると、男の子は性行動に対する興味が強い傾向にあります。
男の子と女の子ではからだが違うことはもちろん、考え方が違うなど、相手の性に対して正しく理解するようにアドバイスできるといいですね。そして、お互いに思いやりをもつことの大切さも話しておくといいでしょう。
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★以前のように何でも話してくれなくなった
友達同士の秘密をもったり、好きな人との秘密ができることは、成長する中で普通に起きる出来事です。おうちの方としてはモヤモヤしたり、心配してしまうかもしれませんが、あまり心配しすぎないで、「何かあったらいつでも相談にのる」という姿勢を伝えてください。
ただ、悪いことをしたのに隠したり、ウソをついたりするのがよくないことは、きちんと教えましょう。
反抗期ってどうすればいい!?
小学校高学年から中学生にかけては、本格的に反抗期に入る時期です。態度が反抗的になったり、話を聞かなくなったりして、イライラすることもあるかもしれません。そんなときに叱ったり、対立したりするのではなく、「今は大人になるために成長している大切な時期」であると理解し、どんと構えて受け入れるようにしてください。また、あまりにも過度に干渉してしまうと、せっかくの自立しようとするこころを妨げてしまうかもしれません。ある程度はお子さまにまかせて、何かあったときにはきちんとサポートする気持ちをしておきましょう。
この時期はお子さまが葛藤していることを認めて、言っていることを忍耐強く聞いてあげながらも「ダメなことはダメ」という毅然とした態度でいることが大切です。おうちの方は見守る姿勢を基本としつつ、成長においての道徳的な部分でのサポートをすることも大事なことです。
気持ちを共感し、認めてもらった関係にある親子は大きな反抗が起こった時でもその壁を乗り越える力があります。親子関係が大きく成長する時期と思い、しっかりと気持ちを整えてお子さまと向き合いましょう。
おうちの方へのポイント!
- お子さまは自分のからだが変化してくると、不安や焦りを感じたりします。そういうときは「大人になるために成長している大切な時期」であることを認識しましょう。そして、何かあれば相談するように伝えてください。
- お子さまが変わってしまうことにおうちの方が戸惑う場合もありますが、大人になるための大切な時期であることを理解し、やさしく見守るようにしましょう。